後頭部のこぶ・・痛い、痛くない?原因や病気をチェック!
2016/02/29
ふと気づいたら後頭部にこぶが・・・しかも押してみるとなんだか痛い。
これ、ビックリしますよね。
またぶつけてないのにこぶが・・・痛くない?なんて事も。
脳の病気だったらどうしようと気が気じゃなくなりますよね。
今回は、後頭部のこぶが出来る原因や対処法についてみてみましょう。
目次
◆ぶつけたことがないか考えてみる
まずは、ぶつけたことがないか、記憶をたどってみましょう。
「こぶができるほどぶつけたんだったら覚えてるよ!」
という声が聞こえてきそうですが、別のことに集中していたり、酔っぱらっていたりすると、その時は痛かったとしても覚えていないということが案外あります。
その場合、ぶつけたことを忘れるくらいですから、基本的にはなんの問題もありません。
普通の打撲なので、数日経てば自然と治ります。
しかし、吐き気や頭痛、歩行障害などの症状が現れた場合は注意が必要です。
なぜなら、頭部を打撲してから1~3ヶ月かけて、徐々に頭の中で出血していることがあるからです。
そうなると、慢性硬膜下血腫となり、命が危険にさらされます。
頭を打ったあとに、吐き気などの症状が現れたら、脳神経外科を受診しましょう。
◆頭が長時間緊張状態にあった
どう考えてもぶつけた形跡がないのに、固いこぶが現れることがあります。
もしかすると、頭、特に後頭部が長時間の緊張状態にあったからかもしれません。
具体的には、姿勢が悪かったり、細かい作業を長時間続けていると、首が凝って血液が鬱血し、筋肉が硬直してこぶのようになります。
痛みがひどくなければ、その部分をゆっくり指圧すると、凝りがほぐれ、やがてこぶも消えていきます。
ただし、痛みがひどいときに指圧をすると、悪化するおそれがありますので、指圧するのはやめましょう。
首を蒸しタオルなどで温めるのも、凝りをほぐす効果があります。
病院へ行くのであれば、脳神経外科を受診しましょう。
◆リンパ節の腫れ
こぶに痛みや熱をもっている場合、リンパ節の腫れが原因の場合があります。
特に、小さいお子様や耳の後ろのこぶのときは、リンパ節の腫れが原因のことが多いです。
なぜリンパ節が腫れるのかというと、風邪をひいたり、ケガをすると、細菌などが体に侵入します。
それをリンパ節でせきとめ、白血球やリンパ球がその細菌と戦うのですが、その残骸などがリンパ節にたまり、こぶやしこりとなって現れます。
この場合、風邪やケガが治れば、自然としこりも消えていきます。
病院へ行くのであれば、耳鼻科や整形外科がよいでしょう。
◆毛包炎
毛穴にブドウ球菌が感染して起こる皮膚の病気です。
赤い発疹、または中央に膿をもった発疹で、まわりも赤くなっています。
いわゆるニキビのようなもので、とくに治療の必要はなく、だいたいが自然に治ります。
しかし、おできのように痛みがある場合は、皮膚科で化膿止めの飲み薬を処方してもらいましょう。
◆後頭部の腫瘍
後頭部の腫瘍はいくつか種類があり、良性のものと悪性のものがあります。
<1.脂肪腫>
皮膚の内側にできる脂肪組織からなる良性の腫瘍です。
40代から50代の女性に多くみられる症状で、こぶの主な原因はこれです。
脂肪腫は薄い膜におおわれていて、こぶは皮下脂肪と同じような黄色い色をしています。
背中や肩などの皮下組織や大腿部などの筋肉の中によく発生しますが、後頭部にできることもあります。
脂肪腫ができる原因として、染色体に異常がみられますが、詳しい原因はわかっていません。
通常は痛みもなく、大きさもさほど変化はみられませんが、徐々に大きくなっていくこともあります。
脂肪腫はレントゲンを撮るとこぶのある場所が薄く透けて写ります。
CTやMRIなど詳しい検査では、皮下の脂肪組織と同じ組織の腫瘍がみられます。
腫瘍が小さく、痛みなどがなければ、経過観察となり特に治療はしません。
もし、腫瘍が大きかったり、目立つ場所にある場合は手術で取り除きます。
<2.脂肪肉腫>
こぶが大きなものや、急激に大きくなったものは、『脂肪肉腫』という悪性腫瘍である可能性があり、良性の脂肪腫との区別が重要です。
5㎝を超えるこぶの場合、悪性である可能性が高くなります。
CTやMRIなどの画像診断で、良性か悪性の区別はある程度つきますが、組織を採取する手術を行い、原因を特定することもあります。
<3.頭頸部腫瘍>
こぶ自体が悪性腫瘍ではないですが、他のがんの症状として、頭にこぶのようなしこりができることがあります。
頭頸部腫瘍の原因となるのは、舌がん・咽頭がん・耳下腺がん・甲状腺がんなど、さまざまな種類があります。
ほかにもいろいろな症状が出るため、頭のこぶだけで判断することはかなり難しいでしょう。
他の症状と合わせて、心配なようなら早めに病院へ行きましょう。
<4.粉瘤>
皮膚にできた袋のような良性の腫瘍で、中には体外に排出されるべき老廃物などがたまっています。
自然に消えることはないので、痛みがあったり化膿する場合は除去手術を行います。
<5.石灰化上皮腫>
皮膚の一部が石灰のように硬くなる良性腫瘍です。
ほとんどの場合無症状ですが、押すと痛みがあったり、かゆみを感じることがあります。
粉瘤やガングリオンなど他の腫瘍と見分けが付きづらく、レントゲン検査で石灰化を確認できますが、進行具合によっては映らないこともあります。
こちらも自然に治ることはなく、手術で取り除きます。
腫瘍の場合は、まずは形成外科や皮膚科を受診し、判断を仰ぎましょう。
◆まとめ
頭にこぶができる原因は様々なものがありました。
こぶの原因が腫瘍であった場合、悪性はもちろんのこと、良性でも自然に消えることは少ないようです。
こぶが小さいうちは、手術も簡単に済むことが多いので、自己判断せず、早めに病院を受診するといいでしょう。
後頭部にこぶができた場合は、まずは形成外科や皮膚科を受診し、判断を仰ぎましょう。