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ぎっくり腰の治療は冷やす?温める?正しい応急処置は?

      2016/03/24

ぎっくり腰になってしまったとき、皆さんどうしていますか?

温めるほうがいいのか、冷やすほうがいいのか、迷った事ありませんか??

 

昔は、『痛いときは冷やし、痛みが取れたら温める』というのが定説でしたが、最近の研究で、『温めるほうが早く治る』という説のほうが有力なのだそうです。

今回は、ぎっくり腰の治療は温める?冷やす?についてご紹介させていただきます。

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今までの常識は「冷やす」

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冒頭で書いた通り、「痛いときは冷やす」というのは、長年の定説でした。

ぎっくり腰だけにかかわらず、急性の障害(捻挫など)には、「RICE処置(PRICES処置という場合もあります)」という応急処置の原則といわれるものがあります。

R・・・REST(安静)

I・・・ICING(冷却)

C・・・COMPRESSION(圧迫)

E・・・ELEVATION(拳上・持ち上げる)

(これにPROTECT(保護)とSTABILIZATION(安定・固定)を加えてPRICES処置)

 

よく、野球のピッチャーなど、試合が終わったあと、肩をアイシングしている光景を目にしますが、ピッチングで炎症を起こした肩を冷やす、ということで、この応急処置に相当しますね。

 

「冷やす」ということ

では、なぜ冷やすといいと言われてきたのでしょう?

その具体的な理由を考えてみましょう。

 

患部を冷やすのは、患部の血管を収縮させて血流を減少させ、炎症を一時的に軽減するためです。また、血流を減らすことで、痛みに関わる「プロスタグランジン」という物質を抑制しています。

ですから、逆に温めると血管が拡張し血流がよくなるので、この「プロスタグランジン」が作られるために、痛みが増します。

こういった理由から、まずは痛みを取り除くために患部を冷やすことが主流となりました。

 

確かに、冷やすと痛みがマヒするので、治った気になります。

そして、この「治った気」というのがクセ者で、実は、さまざまな試験から、冷やしてよくなったと断言できる結果は出ていないのです。

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ぎっくり腰は最初から温めるほうが治りが早い!?

そもそも、炎症は、痛めてしまった身体の機能を修復するために起こるものです。

 

せっかく修復作業をしているのに、冷やしてしまうと、血行が悪くなり、作業効率が悪くなります。

冷やすという事は、炎症を一時的に抑えているだけで、根本の解決とはなっていないのです。

 

高熱が出た時に、解熱剤などで無理に熱を下げると、せっかく身体が熱で菌を殺そうと頑張っているのに、それを邪魔することになるので飲んではいけない、と言われますが、それとよく似ていますね。

 

また、アイシングはだいたい15分~20分とされていますが、痛みがマヒして気持ちがいいので、むやみやたらに冷やし過ぎてしまい、患部の周りの正常な細胞まで冷やし過ぎてしまうことで、害が及ぶことがあります。

そうなると、やはり修復作業に影響が出てしまうのです。

冷やす効果

・一時的に痛みを抑えることができる。

・炎症の広がりを抑えることができる。

 

そこで、「じゃあ温めたらどうなるの?」となったワケです。

先ほども書いたように、温めると痛みが増します。

ただ、これは“一時的”なもので、温めることで患部の修復作業は促進されます。

炎症を起こしたと聞くと、悪い事が起こっていると思われがちですが、炎症は体が治そうと働きかけている状態なのです。

温める事で修復作業は促進しますが、その時に痛みが生まれます。

温める効果

・血行が良くなるのことで、修復作業を促進させる。

・固まった筋肉がほぐれやすくなる。

 

実際、冷やした人よりも、温めた人のほうが早く治る傾向にあります。

 

どうやって温めるの?

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上記の理由から、現在では『痛みが増すのは覚悟の上で、温めたほうが早く治る』というのが有力な説となっています。

 

温める方法としては

①貼るホッカイロ、温かい濡れタオル

使い捨ての貼るタイプのホッカイロが一番適しているかもしれません。少し注意してほしいのですが、寝る時に貼ったりすると低温やけどの危険性があります。

使用上の注意をよく読んでから使用しましょう。

直接貼るのではなく、下着の上からなど衣類の上から貼ったりして、使用するようにしましょう。

 

また、お湯でタオルを温めたり、濡れタオルをレンジで温めたりして、患部を温める事も効果的です。

 

②ふくらはぎを温める

温めると痛みが増すのは確かなので、ちょっと躊躇してしまいますよね。

その場合は、直接腰を温めるのではなく、ふくらはぎを温めるとよいでしょう。

ふくらはぎは、“第二の心臓”といわれています。

なぜなら、ふくらはぎには、下半身に血液を送り出すポンプのような役割があるからです。

ここを温めることで、血行がよくなり、患部を温めるのと同じ効果が期待できます。

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③軽い運動やストレッチ

更には、軽い運動を行うと、温めただけよりもいい結果が得られることがわかっています。

とはいえ、『どうしようもないほどの激痛なのに運動なんて冗談じゃない』という状態もありますので、運動に関しては、痛めた直後は無理をせず、動けるようになってから、ストレッチなど軽い運動から始めるとよいでしょう。

しかし、以前のように、『治るまで絶対安静』というのは、かえって治りを遅らせることになります。

 

また、ぎっくり腰になった直後はやっぱり痛いですし、身体が治そうとして患部が熱くなりすぎることがあります。

そのときは、15分程度アイシングをして、少し熱を取り除くようにしてもよいでしょう。

ただし、冷やし過ぎは禁物です。

 

まとめ

「痛いのに温める」治療法は、今までの定説をひっくり返す、かなり衝撃的なものでした。

しかし、調べていくと、理にかなっている、というか、なるほどな、と思うことがたくさんあり、もし、ぎっくり腰になってしまったら、試してみようと思いますよね。

まとめますと、

冷やす・・・炎症を抑え、一時的に痛みが和らぐ

温める・・・一時的に痛みは増すが、血行が良くなることで完治が早まる

という事がわかりました。

 

また、ぎっくり腰には前兆があるのをご存知でしょうか?できれば、ぎっくり腰にならないよう予防したいものですね。

ぎっくり腰の前兆についてこちらの記事をご参考下さい。

ぎっくり腰の前兆!こんな8つの症状がでたら要注意!

ぎっくり腰!期間別の症状と完治までの日数とは!

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