ファロム錠の副作用やニキビへの効果について!
「ファロム」というお薬をご存知でしょうか。
病院ではよくみかけるお薬ですが、パッケージに特徴があるお薬というイメージがあります。
そんな「ファロム錠の副作用や効果」について説明したいと思います。
ファロムとは?
感染症の治療に使用する「ぺネム系」の抗生物質です。
比較的、副作用の少ない安全性の高いお薬だとされています。
効果・効能
・肺炎、肺膿瘍、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎、精巣上体炎(副睾丸炎)、皮膚感染症、扁桃炎、子宮内感染、気管支炎
などに使用されます。
眼科・耳鼻科において使用されることも多く、
・眼瞼炎、麦粒腫、涙嚢炎、角膜炎、角膜潰瘍、中耳炎、外耳炎、副鼻腔炎
などにも用いられます。
製品例
「ファロム錠150mg」「ファロム錠200mg」「ファロムドライシロップ小児用10%100㎎」があります。
ジェネリック品として、同じ剤形で価格が安くなるものは、現時点では存在しないようです。
用法・用量
大人は、主成分として1回200~300mgを1日3回服用しますが、疾患によっては(皮膚感染症、扁桃炎、子宮内感染、気管支炎など)主成分として1回150~200mg に減量されるようです。
その他、年齢や体重、症状などによっても量が変更される場合があります。
必ず医師の指示を守って服用しましょう。
副作用
「発疹」などのアレルギー症状が出ることがあります。
また「吐き気や嘔吐」「下痢」「腹痛」「食欲不振」「腹部膨満感」などの消化器症状や「ほてり」「肝・腎機能障害」などが起こる場合もあります。
特に多いとされるのは「下痢」の症状ですが、小さい子供などは特にこの傾向が強く、多少軟らかくなる程度であれば心配はいりません。
ただし、症状がひどくなったり、血便が出たりするようであれば、受診が必要です。
稀ではありますが、ひどい場合は「ショック」を起こし、命にかかわる事態になることもあります。
以前は、アレルギーがないかどうかを腕に注射をして事前に調べることが行われていました(皮内テスト)。
最近では、そのテスト自体にあまり意味がないと考えられており、実行しない病院が多いようです。
この副作用を防ぐためには「以前、ペネム系や他の薬でアレルギーを起こしたことがないか」「両親や兄弟にひどいアレルギー疾患を持った人がいないか」などを事前に医師に伝えることが大切だとされています。
お薬を飲んだ後に「冷や汗が出る」「気分が悪い」「息苦しい」などの症状が出た場合は、ショック症状の前兆であることが考えられますので、速やかに医師の診察を受けるようにしてください。
それ以外には「急性腎不全」「皮膚粘膜眼症候群」「偽膜性大腸炎」「間質性肺炎」「好酸球性肺浸潤症候群」などが起こることがあるとされています。
特に、もともと全身状態の悪い人や、大きな病気を患っている人などは、副作用が起こるリスクが高くなります。
入院している方なら、医師も状態を把握しているので問題ありませんが、はじめて受診する病院などでは、自分の病気をきちんと医師に伝えましょう。
最初に渡される「問診票」を適当に書いてはいけないことが、このことからもわかりますね。
ファロムはニキビにも効くの?
皮膚科でニキビの治療のために処方されることがあるようです。
菌を殺す目的ではなく、増殖を抑える効果を期待して処方されます。
ニキビの治療には、原因菌となるアクネ菌や黄色ブドウ球菌などに高い抗菌効果が期待できます。
しかし、一方で耐性菌(薬に対して抵抗力を持ち、薬が効かなくなった菌のこと)を作らないために安易な抗生物質の処方を控えようという意識も医師の側では高まっているため、軽い症状で処方することに対して否定的な意見もあるようです。
したがって一般的に、
・化膿ニキビ、赤にきび、難治性ニキビ(繰り返し発生するにきび)
など、炎症が強いニキビ治療の時のみ使用されます。
膀胱炎にファロムは効くの?
膀胱炎に対しては「ファロム」以外にもいろいろな抗生物質が使用されています。
医師はまず、一般的にどの細菌にも効くと思われるお薬(クラビットなど)を処方し、それで効かなければ別のお薬を、それでもだめならまた別のお薬をという具合に、様子をみながら薬を変更していく場合がほとんどです。
もちろん、症状や全身状態にもよりますし、培養検査によって感染を起こしている菌を見極めてからという場合もありますので、必ずしもというわけではありません。
つまり、効く場合もあれば、効かない場合もあるというのが正しい答えであると言えます。
まとめ
ファロムはぺネム系の抗生物質です。
重篤な副作用はめったに起こるものではありませんが「自分のアレルギーや持病について事前に医師に報告する」ことは、もしもの時のためにも必ず守っていただきたいと思います。
耐性菌を防ぐために安易な使用を控えようという医師の意見は、まだまだ一般的には浸透していないようですが、気にかけていただきたい問題です。
ニキビは治ったけれども将来、薬が効かなくて肺炎で死んでしまうなどということもあり得ないことではないのですから。
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