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塩分不足の原因や症状は?むくみや頭痛がサイン!?

      2017/07/12

塩分は、体に必要なミネラル成分です。

塩分の取り過ぎは、高血圧の原因となることは有名ですが、塩分不足もまた、体に不調を来たすことをご存知ですか?

今回は、塩分不足になる原因とその症状と対策についてご紹介します。

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塩分はなぜ必要?その働きは?

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塩(塩化ナトリウム:Nacl)は、体内に吸収されると、ナトリウムとして、生体機能の維持に重要な働きをしています。

 

・細胞内外の浸透圧を調節する

細胞の内側と外側には、体液と呼ばれる水分があり、ナトリウムは、主に細胞外液に多く含まれ、細胞内液にはカリウムが多く含まれています。

この両者が一定の濃度を維持することで、細胞の浸透圧のバランスを保って、細胞が正常に機能できるようにします。

たとえば、細胞内液のナトリウム濃度が高くなると、細胞外へナトリウムを出し、細胞内へカリウムを取り込むことで細胞の浸透圧が変化しないように調節します。

 

・筋肉の動きや神経伝達をスムーズにする

筋肉を収縮させたり、伸ばしたり、また、神経の伝達は、細胞の内側と外側をナトリウムとカリウムが移動することで起こる電気刺激で行われています。

 

・体液のpHを維持する

ヒトの体液は、常にpH7.35~pH7.45の弱アルカリ性に保たれるようにコントロールされています。

ヒトの体液は、酸性側に傾きすぎても、アルカリ性側に傾きすぎても身体に異常をきたしますので、弱アルカリ性に保つことはとても重要です。

ナトリウムは、酸性物質を中和して、体液が弱アルカリ性に保たれるように働きます。

 

・栄養素の吸収を助ける

糖質は分解されてブドウ糖に、たんぱく質は分解されてアミノ酸となり、小腸から吸収されますが、その際、ブドウ糖と一部のアミノ酸は、ナトリウムと共に取り込まれます。

その他、ナトリウムは、小腸や大腸からミネラルや水の吸収を助けます。

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塩分不足になる原因

塩分(ナトリウム)は、私たちの体内で重要な働きをしていることがわかりました。

 

通常、体内で塩分が不足すると、腎臓で尿中にナトリウムが出て行くのを抑えて、再吸収が促され、塩分が多くなると、尿中へナトリウムが出て行くようにして、体内のナトリウムの量が保たれています。

しかし、調節がうまくいかなくなる場合があります。

 

塩分は水分とともに体を出入りします。そのため、大量の発汗下痢嘔吐などにより、体の水分が失われ脱水症状を起こすとナトリウムも一緒に失われます。

このとき、水分補給としてミネラルの入っていない普通の水のみを補給すると、血液中のナトリウムがさらに薄まり、低ナトリウム血症(塩分不足の状態)になります。

 

また、ホルモンバランスの異常病気薬剤の影響で、身体が塩分不足の状態になる場合もあります。

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塩分不足による症状

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・めまい、ふらつき、頭痛

体内のナトリウム(塩分)が不足すると、体は体内のナトリウムの濃度を保つために、体の水分量を減らすように働きます。

結果、体を循環する血液量が低下しまいます。

そのため、脳への血液による酸素供給も減ってしまい、めまいやふらつき、さらに、頭痛も起こりやすくなります。

 

・むくみ

ナトリウムは、摂り過ぎてもむくみの原因となりますが、逆に不足し過ぎてもむくみの原因となるのです。

むくみは、体内のナトリウムとカリウムのバランスが崩れると起きやすいので、適度に塩分をとることも大切なのです。

 

・足がつる

普段は、体内のナトリウムが減ると、腎臓で尿中にナトリウムが出て行くのを抑え、再吸収を促します。

しかし、運動中は、腎臓の機能は抑制されるため、汗と共にナトリウムが失われたにもかかわらず、塩分補給が足りないと、筋肉にあるナトリウムも減ります。

筋肉にあるナトリウムがどんどん減ってしまうと、筋肉の伸縮信号がうまく伝わらず、筋肉の収縮、伸張のバランスがうまく取れなくなり、足がつるなど筋肉のけいれんを起こすことがあります。

 

・食欲がなくなる

血液やリンパ液と同じく、胃液などの消化液も細胞外液です。

塩分が不足すると、体内のナトリウム濃度を保とうとして、身体は、細胞外液を減らすように働きます。

結果、消化液も減り、消化できる食べ物の量も減り、だんだん食欲がなくなります。

 

・精神錯乱、意識障害、昏睡

体内のナトリウム濃度が急激に低下すると、神経の伝達もうまくいかなくなり、精神錯乱や意識障害などを起こすこともあります。

ひどくなると、昏睡状態に陥る恐れもありますので、注意が必要です。

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塩分不足にならないためには?

日本人は、塩分を取り過ぎる傾向にあり、普段の生活では塩分不足にはなりにくいといわれますが、大量の汗をかいたときや下痢、嘔吐が続いたときなどは、塩分不足になることがありますので注意が必要です。

頭痛や吐き気など脱水症状が疑われる症状が出たときには、水分と共に塩分も失われていますので、早目に水分を補うことが大切です。

 

水分補給を行う時のポイントとして、ただの水を飲むことよりもスポーツドリンクや、現在は補水のための飲料品が販売されているため、経口補水液といった飲み物をとるようにすることが必要です。

 

脱水のための補水には、塩分と水分を吸収しやすくする糖分の両方が必要になります。

そのため、水道水やミネラルウォーターでは、脱水症状が出始めた身体には間に合わないのです。

水分だけではなく、適切な塩分も摂ることをお勧めします。

 

まとめ

塩分(ナトリウム)は、私たちの体の健康を維持するために、とても大切な働きをしています。

塩分が不足すると、めまいやふらつき、頭痛、足がつる、食欲不振、精神錯乱など、さまざまな体の不調をきたします。

大量の汗をかいたときや下痢、嘔吐が続いたときの水分補給は、水分と共に塩分補給にもなる経口補膵液やスポーツドリンクが最適です。

 

塩分の取り過ぎは、高血圧になるリスクが高くなるため注意が必要ですが、過度の塩分不足も体の健康を維持できなくなります。

何事もバランスを保つことが大切ですね。

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