足の甲(中足骨)の疲労骨折の症状!原因や治療もご紹介!
2016/03/17
疲労骨折という言葉を耳にした事はおありでしょうか?
足の甲が何となく痛い、歩きすぎかな、スポーツの練習しすぎかな、等と思いながら様子を見ているのに一向に治らないどころか、痛みが強くなってきた…!?
というような場合、それは疲労骨折かもしれません。
今回は、足の甲の疲労骨折についてご紹介させていただきます。
目次
疲労骨折とは?
疲労骨折とは、主に陸上競技のスポーツ選手などに多いケガで、骨の一定の場所に継続的な負担がかかることで、骨に細かなヒビが入ってしまいます。
疲労骨折する箇所は足が大多数で、足首上辺りでも起きますが、全体の三分の一以上が足の甲周辺で起きると言われています。
主にこれを中足骨疲労骨折(ちゅうそくこつひろうこっせつ)と呼びます。
また、疲労骨折は通常の骨折と異なり、足をぶつけた等の分かりやすい原因や、初期では大きな腫れや激痛といった症状が出ないので、本人も気付かず見逃しがちです。
疲労骨折は初期の状態では骨の内側から弱ります。
針金を何度も同じ部分で折り曲げる事を想像してみてください。同じ部分で折り曲げる事を繰り返していたら最終的には折れてしまうかも知れませんが、最初の一、二回目では見た目は変わらないはずです。
しかし、見た目は変わりませんが、内部では確実に芯の部分が弱ってきているのです。
早期に発見し、安静にすることで重症化を防ぐ必要があります。
それでは、足の甲の疲労骨折の特徴と、疑われる症状についてご説明しましょう。
疼痛(とうつう)
文字通り、疼くような痛みです。
刺すような痛みなら気になるかも知れませんが、鈍痛だと様子を見たくなりますよね。
一般に、運動をし始めた時にまず痛みが出ます。スポーツのシューズを履いた際に、足の甲に痛みが出るというケースもよくみられます。
その後、運動の最中には一度痛みは治まる事が多いので、初期の段階では難なく動けてしまうのが特徴です。そして、運動を終えるとまた痛みが出ます。
その後は時間と共に痛みは消えるので、再び運動をするまでは忘れてしまいがちなのです。
内出血はなく、初期は腫れもない
疲労骨折している箇所でも、内出血はしません。また、初期の段階では腫れもないのが特徴です。
ですので、外見的に疲労骨折を早期発見するのは難しいです。
初期段階で腫れがないのは、疲労骨折の腫れは炎症によって起こるものではなく、骨を修復させる際に発生する腫れだからです。
したがって、腫れが出ている時はすでに悪化してしまっている状態なのです。
レントゲンには写らない!?
初期の状態でレントゲン撮影をしても、骨の内部での異常は発見されないのが通常です。
骨は安静にしていれば自然治癒をします。
疲労骨折の初期症状が出てから2、3週間すると、疲労骨折の局部の骨は、その内側の傷を修復すべく骨の回りに膜を作って治し始めます。
その頃になれば、レントゲンを撮った時にその様子が確認出来ますが、初期にはまだ修復が始まっていないので発見されにくいという事です。
「中足骨とはどの部分?」
足の親指では爪の側から数えて三番目の骨、第2の指以降は爪の側から数えて四番目にある、足の甲の辺りにある骨です。
中足骨疲労骨折は、第2第3の中足骨で起きるのが殆どです。
ちょうど足の土踏まずのアーチを形成する部分です。
ジャンプをして着地する時などに衝撃を吸収し、全身の体重を受ける大切な部分です。
「何が原因で起きる?」
足の甲への、継続的な負担が原因なのは確かなのですが、心当たりがなかったりピンと来ない事も多いのではないでしょうか。
スポーツでジャンプして着地する際には、骨だけでなく足の筋肉も使われていますが、筋肉が発達しきっていない状態で足を酷使した場合に起きやすいと言えます。し
たがって、毎日部活に励む中高生にも多く見られます。
また、中足骨疲労骨折の起きる足の甲や、足首の辺りの筋肉だけでなく、ふくらはぎや太もも、腰や背中に至るまで体全体の筋肉が未発達の場合なども、全ての衝撃を足の甲が引き受けてしまい、疲労骨折が起きやすくなるでしょう。
ジャンプや踏み込みなど、足の甲に負担のかかる動きの多いスポーツでは、全身をバランス良く鍛えた上で、練習し過ぎないこと、きちんとした休養をとること、が疲労骨折を防ぐ上で重要であると言えます。
治療方法とは
中足骨疲労骨折で手術となることはまずありません。
治療は安静にすることによる自然治癒になります。
疲労骨折が初期の状態であっても、整形外科にて問診、触診などの診断は可能です。
しかし、疲労骨折は、骨が自然治癒をする間も与えずに連日練習を重ねてしまうと、痛みも強くなり、いずれ骨にヒビや亀裂が入る本当の骨折に至りかねません。
疲労骨折は、早期の発見をし、安静にするのが一番の治療方法なのです。
早期に発見でき、安静にしていた場合は3週間ほどでの完治も可能ですが、大きな腫れや痛みを伴うほど重症化してしまうと、完治まで3ヶ月を要する場合もあります。
小指側の痛みに注意!Jones骨折
足の甲の真ん中ではなく、小指側に痛みを感じた場合はJones骨折の可能性もあります。
Jones骨折とは、小指の第5中足骨に起こる疲労骨折のことです。
Jones骨折の原因となるのは、第5中足骨への継続的な負担です。特に、ステップやジャンプが大きな負担となるため、サッカーやバスケットボールの選手に多く見られます。
Jones骨折は通常の疲労骨折と違う特徴があり、骨がくっつくのが遅れたり、途中で修復が止まってしまったりするため、難治性骨折と呼ばれています。
そのため腫れや痛みが出てからの治療では、手術となる事も多く、完治までは3カ月以上かかる事もあります。
予防法としては、ステップやジャンプ時の負担を軽減するため、体幹を鍛えることと、足首を柔らかくすることが大切です。
まとめ
足の甲の疲労骨折の主な症状というのは鈍い痛みであるため、本人以外の周囲の人には分かりにくく見過ごしがちです。
本人もまた、単なる疲れとして軽くみてしまうかも知れません。
しかしそのまま放置して運動を続けてしまうと悪化してしまいます。そうなった場合、完治までの期間は疲労骨折の比ではなくなります。
特に小指側に痛みを感じる際は、Jones骨折が疑われますので注意が必要です。
早期に整形外科へ行き適切な処置を受け、十分に安静にして早目に治すことを心掛けましょう。
足の甲の症状に関しましてはこちらの記事もご参考下さい。