右後頭部の痛み!頭痛がする原因とは?
2016/07/31
「頭痛」を訴える人は多いですが、その中には「様子をみてよいもの」と「早急に対応すべきもの」の二種類があり、その視点から「一時性頭痛」と「二次性頭痛」とに分類されます。
今回は、右後頭部の痛みにはどのような原因があり、どう対応するべきなのか詳しく説明しましょう。
目次
≪一時性頭痛≫
ほかに原因となる病気がなく、頭痛自体が治療対象となる頭痛です。
命にかかわる事態ではないことがほとんどです。
【片頭痛】
ズキンズキンと脈を打つような強い痛みが、週2回~月1回程度起こります。
痛みは4時間から72時間ほど続きます。
頭の片側に起こることが多いと言われていますが、右後頭部に限局するものではありません。
他にも「吐き気」や「嘔吐」「光や音やにおいが気になる」などの症状を伴います。
動くと痛みが悪化する傾向があるようです。
【慢性片頭痛】
頭痛が月に15日以上起こるケースで、「片頭痛」か「緊張型頭痛」のいずれかの特徴を示しますが、月に8日以上は「慢性片頭痛」の症状であるともいわれています。
この頭痛の原因の約半数は「頭痛薬の飲みすぎ」によって起こるとされており、複合鎮痛剤などを月に10日以上飲んでいる人には起こりやすいとされています。
「片頭痛」の予防と治療
症状がひどい場合には、予防薬を毎日服用します。
・「日ごろからストレスをためない」
・「規則正しい生活をおくる」
などのセルフケアも重要になります。
まぶしい場所や騒音の強い場所で誘発されることがあるので、サングラスを使用する、混雑時を避けるなどの対策も有効です。
また頭痛薬の服用回数を守ることや市販の頭痛薬を自己判断で乱用しないことなども「慢性片頭痛」の予防の視点からは重要であるとされています。
【群発頭痛】
「めがえぐられるような」「きりで刺されるような」などと表現されるような耐え切れない痛みが現れ、あまりの痛みにじっとしていることが出来ず、ひどい時は痛みのあまり、頭を壁に打ちつけることもあると言われている頭痛です。
痛む場所は、必ず頭の片側であり、特に右後頭部に限局されるわけではありません。
ある期間に集中して起こるのが特徴で、ほぼ1~2カ月続いた後、半年から2~3年経過した後に、再び同じような頭痛に見舞われるという経過をとります。
頭痛は1日に1~2回起こり、1回の痛みの持続時間は15分~3時間くらいで、毎日ほとんど同じ時刻に起こります。
特に明け方に起こることが多く、強い痛みで眼が覚めてしまうというケースが多いようです。
痛み以外にも「目の充血」「流涙」「鼻水」などの症状を伴うことがあります。
20~40歳代の男性に多いと言われています。
発症のメカニズムに関しては、まだ明らかにされていないことが多いのですが、脳へ血液を送る血管が刺激を受けることで起こるとされており、その刺激の原因となるのは「アルコール」や「タバコ」であると言われています。
また、気圧の大きな変化も原因の一つとされており、季節の変わり目などに発症する人が多いとも言われています。
「群発頭痛」の予防と治療
治療としては薬物療法と酸素吸入法が中心になります。
予防のために、就寝前に「エルゴタミン製剤」や「トリプタン系薬剤」を飲むことで効果を期待できることがあります。
それ以外にも医師の判断で「カルシウム拮抗薬」や「副腎皮質ステロイド」などが処方される場合もあります。
日常生活においての予防策は、発作の起こる期間中は禁酒を守り、喫煙を控えることだとされています。
登山をしたり、飛行機に乗ったりする場合には、あらかじめ医師に相談しておくことが必要となります。
【後部神経痛】
ピリッとする一瞬の電撃的な痛みを繰り返します。
痛み以外に、吐き気などの症状はないとされています。
治療をしなくてもたいていは1週間ほどで自然に消失しますし、危険な頭痛ではないので心配はいりません。
【緊張型頭痛】
頭の両側をぎゅーっと締め付けられるような重苦しい鈍痛が一般的です。
頭の両側か頭全体、後頭部が痛むとされていますが、血流障害から起こるので、例えば右後頭部に頭痛を感じるという場合は無意識のうちに首が右側に傾きがちで、右肩・首に負担がかかっているケースなのかもしれません。
1カ月に15日未満のものもあれば、毎日のように起こるものもあり、痛みは30分から7日間くらい続きます。
吐き気はあっても実際に吐くことはないようですが「肩こり」や「ふわふわしためまい」を伴うことがあります。
「緊張型頭痛」の予防と治療
一般的には特に治療が必要ないとされています。
予防策としては
・「ストレスをためない」
・「ゆっくりとお風呂につかる」
・「マッサージや軽い運動を行う」
などが有効であり、ゆったり、のんびりした時間を持つことが何よりの予防策であるとされています。
≪二次性頭痛≫
頭痛の中には早急に対応しなければ命にかかわるような疾患が原因の場合があります。
具体的には、
・「クモ膜下出血」「脳出血」「感染症(髄膜炎)」「脳腫瘍」「脳動脈解離」「慢性硬膜下血腫」
などが考えられます。
心配ない頭痛に比べて、症状が強いことが多いですが、以下のような症状があらわれた場合は、早急の脳神経外科を受診しましょう。
①今までに経験のない、強い頭痛。
②突然起こる激しい頭痛。
③痛みが急に強くなった場合。
④回を重ねるごとに、痛みが徐々に強くなる場合。
⑤発熱を伴う場合。
⑥手足のしびれがある場合。
⑦痙攣などの症状を伴う場合。
⑧意識がもうろうとなる場合。
⑨以前に頭部打撲の経験がある場合。
まとめ
一言で頭痛といっても一時的な心配のいらないものから、早急に対応しなければ命にかかわるような疾患が隠れている場合があります。
自身で判断するのは難しいので、しばらく続く場合は、神経内科か脳神経外科を受診しましょう。
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