後頭神経痛の症状や治療法!原因と対処法もご紹介!
「後頭神経痛」という名前に聞き覚えのある方はあまり多くないと思いますが、実は「片頭痛」より外来受診者が多いという意見もある、比較的患者さんの多い病気なのです。
症状自体も、我慢できないほど痛みの強いレベルのものもあり、驚いて病院を受診する方もいらっしゃるようです。
今回は、そんな「後頭神経痛」について詳しく説明しましょう。
症状
後頭神経が刺激されることによって起こる症状で、「頭皮がヒリヒリするような感覚の痛み」を後頭部に感じ、我慢できないといって受診する方が多いようです。
「つむじとは逆の方向に髪を分けるときの痛みに似ている」と表現する方もいらっしゃいます。
痛む部位によって「大後頭神経痛」「小後頭神経痛」「大耳介神経痛」の3種類に分類されており、
・「大後頭神経」は後頭部から頭頂部、
・「小後頭神経」は耳介後方の後頭側頭部、
・「大耳介神経」は耳の後下方の付近の皮膚
に分布しています。
多くは「大後頭神経痛」であると言われていますが、部位は違っても痛みの程度は同じくらいであるようです。
痛みの特徴としては次のようなものがあります。
①ピリッとする一瞬の電撃的な痛みを、数秒から数時間の間隔で繰り返し、一度痛みだすと数日から数週間継続します。
②痛みがない時には、痛みがあるのと同じ部位に、じわっとした違和感やしびれ感が生じることがあります。
③痛み以外には、吐き気などの症状がみられないことが多いとされています。
④常に同じ場所に痛みが走ります。
⑤押すと常に痛いところがあります。
⑥頭皮の知覚過敏が起こります。
⑦首の運動、くしゃみ、咳などで痛みが誘発されることがあります。
原因
後頭神経痛の代表的な原因は、ストレスです。
「仕事が忙しく疲労がたまっている」「風邪をひいている」などの肉体的ストレスはもちろん、精神的ストレスも原因となります。
また、解剖学的にこの部分の神経は、頭を支える頸部の筋肉の間から皮膚の表面に出てくるため、筋肉による圧迫を受けやすいことから、肩こりや首のこりが強い時に起こりやすい傾向があります。
「貧血」や「帯状疱疹」などの病気が後頭神経痛の原因となっていることもあります。
子供の場合には、同じようにストレスが原因であることもありますが、ビタミン不足なども考えられます。
「野菜を食べない」「炭酸飲料ばかり飲む」「カップ麺ばかり食べている」などという状況において起こりやすいと言えます。
まれにではありますが、後頭神経痛が「脳梗塞」や「脳腫瘍」の症状であることもあります。
また、頚部の異常がある場合(頚椎ヘルニア、頚椎症、頸椎捻挫など)でも起こることがあります。
それらを除外するためにも、きちんとした検査を行うことが必要です。
治療法
治療をしなくてもたいていは1週間ほどで自然に症状が治まります。
ただ、病院で、他の病気の疑いが懸念される場合には「レントゲン」「CT」「MRI」などの検査を行って腫瘍の有無を確認したり、血管による圧迫や、感染症の有無などを確認します。
「後頭神経痛」だと確定すれば、消炎剤、鎮痛薬、安定剤などのお薬の処方を行います。
これらを服用しても、一向に症状が緩和しないという場合には、局所的に「神経ブロック注射」を施行することもあります。
圧痛点に少量の局所麻酔剤や、少量のステロイド剤を注射する治療方法ですが、週に1回くらい行えば、数回で痛みが消失することが多いようです。
対処法
後頭神経痛は危険な頭痛ではないので、他の病気がないとわかったら、過度に心配する必要はありません。
むしろ重要なのは、各種ストレスを取り除いて、休養を十分にとることですし、くよくよ心配していることが再発の原因になるとも言われています。
あまり深刻に考えずに「痛くなったら、また治療に行けばよい」くらいの気持ちでいた方がいいですね。
それ以外にも「長時間のパソコン作業」や「マッサージの仕事」など下向きの作業が、後頭神経痛を誘発することもあるようです。
適度に休憩をとりながら、軽い体操をしたりして作業を行うよう心がけましょう。
雨が降ると低気圧になって、起こりやすいという報告もありますが、天気だけはどうしようもないですね。
ただ、雨の日は頭痛が起こりやすいと知っておくだけでも、少しストレスは軽減するのではないでしょうか。
雨の日はあえて行動せずに休養するなどの対策を講じることも大切かもしれません。
何科にいけばいい?
一般的には「脳神経外科」を受診して、脳の病気がないかをよく診てもらい、他の科での検査や治療が必要になれば、紹介状を記載してもらい改めて受診することが最短の方法であると言えます。
自己判断で、受診しても、医師の診断結果が違っていれば、思い通りに事が運ばない場合がほとんどですからね。
まとめ
後頭神経痛はあまり心配する必要はありませんが、時には重い病気が隠れていることもあるので、症状が強いなら受診することをお勧めします。
しかし、後頭神経痛の一番の対策はストレスをためないことですので、あまり深刻にならないようにしましょう。
「治す」というよりは「仲良くつきあっていく」くらいの気持ちで向き合った方がいいかもしれませんね。
後頭神経痛でお悩みの時は、脳神経外科を受診しましょう。
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