フッ素入り歯磨き粉は危険?市販製品の安全性について
2016/03/30
市販の歯磨き粉に含まれている添加物には有害物質が含まれているとネットで話題になっていますが、信憑性はどうなのでしょうか?
食品の添加物も良く有害性云々が言われますが、歯磨き粉も口に含むものなのでその噂は気になりますよね。
何が有害で果たしてその噂には根拠があるのか?
今回は、市販の歯磨き粉の危険性についてご紹介させていただきます。
目次
市販の歯磨き粉の危険な要素は何があるの?
今ネットで見かける歯磨き粉の危険性ってどんなものがあるのでしょうか?
どうやら含まれている成分に問題がありそうです。
危険な成分として挙げられているものにラウリル硫酸ナトリウムがあります。
これは、陰イオン性界面活性剤の一種で、乳化剤や洗浄剤として歯磨き粉やシャンプー、髭剃りクリーム、薬、サプリメント、工業用の洗剤など様々な用途で使用されているナトリウム塩です。
ラウリル硫酸ナトリウムは、発がん性の毒性があると言われていたことがあります。
フッ素も多くの歯磨き粉に含まれていますが、こちらも発がん性物質だのダウン症の要因(?)だのという意見がネット上で垣間見られます。
ラウリル硫酸ナトリウムは危ない?
科学性物質や放射能に至るまで、人体に悪影響を与えるものは日常生活に溢れています。
しかし、そこには量の概念を踏まえて判断しないと、何でもかんでも危険、危険と煽るだけになってしまうのです。
ラウリル硫酸ナトリウムを含む歯磨き粉の使用は、口内濃度が高まることで毒性を指摘する説もありますが、問題は濃度ではなく絶対量なのです。
ラウリル硫酸ナトリウムの製品安全データシートによれば、ラットにおける経口半致死量は1,288 mg/kgとあります。
人体で言うと、体重50kgsの人の致死量は1288mg×50kgs=64.4gに相当します。
つまり、4%のラウリル硫酸Na含有の歯磨き粉を1g使った場合で試算すると、その中に、含まれている量はせいぜい0.04g=40mgという訳です。
如何に非現実的かお分かり頂けるでしょう。
人体への影響としては、皮膚や眼に稀に炎症を起こすケースがありますが、毒性は無いと結論付けられています。
また、カナダ健康省や米国癌学会はラウリル硫酸ナトリウムに、発癌性物質は無いという見解を示しています。
フッ素って本当に危ないの?
フッ素加工などで、歯科医の治療でも導入されているフッ素の何が危険なのでしょう?
急性中毒症の発症を心配するならば、歯磨き粉5本ほど一気飲みすれば起こるでしょうが、そんなことする人はいないでしょう。
つまりフッ素も絶対量の問題なのです。
はっきり言って、摂りすぎれば良くないが微量のものを毎日摂取しても、ほとんど影響は無いということです。
発癌性やダウン症の危険など全く根拠がありません。
基準値を大きく超えたフッ素を含んだ飲料水を、毎日大量に飲み続ければ何らかの影響はあるかも知れませんが、歯磨き粉で歯磨きしたり、歯医者の治療でフッ素を塗るくらいでは何の悪影響もありません。
歯磨き粉の添加物とは?
歯磨き粉には、オプション効果を付加するために、幾つかの化学物質が含まれています。
主な物質は発泡剤、研磨剤、保湿剤などがあり各々の期待効果は次の通りです。
(1)発泡剤:合成界面活性剤という化学物質は、泡立ちを良くし刺激も強いので良く磨いた気分にさせてくれます。
しかしこの刺激が、良く磨けたと勘違いさせたり、食べ物の味覚をマヒさせると言われています。
味覚については、歯磨き粉に含まれているメンソールのせいです。それも一時的なものでうがいをして1時間もすれば元に戻るレベルです。
(2)研磨剤:ホワイトニングや歯垢除去に効果があると言われています。歯のエナメル質を少しでも傷つけたくなければ粒子の荒い歯磨き粉を避けたほうが良いでしょう。
(3)保湿剤:昔の歯磨き粉は、うっかりチューブの蓋を閉め忘れると、出口付近で固まってしまいました。近頃は保湿剤を含むことで、いつでもしっとりとした質感が味わえます。
市販歯磨き粉の危険性とはバイラルメディアのせい?
あるサイトに”フッ素入り歯磨き粉は危険!がんや骨肉腫、ダウン症の原因との指摘も”という記事が載ったことがきっかけで、市販歯磨き粉の危険性というデマが広がったようです。
これは、ネットのクチコミ効果が悪いほうに出た例と言えます。
このような現象をバイラルメディアと言い、簡単に言うと、SNSでSEOを駆使したタイトルを付けて、ネットユーザーの関心を呼びやすくする記事を作成し、一気にネットで拡散させることです。
書き手のモラルハザードが起き易いことも、この手のバイラルメディアの問題点と言えます。
<まとめ>
いかがでしたか。ネット上には、根拠のない噂が多く飛び交っていることが、お分かりいただけたと思います。
歯磨き粉の害については、日常的な使用量では何も気にすることが無い、ということを認識してください。
お酒だって有害物質は含まれていますが、飲み過ぎて体を壊すことは誰でも認識しているので自己コントロールしています。
歯磨き粉についても、人それぞれの使用感や好みで、添加物を含まないオーガニックタイプ(高価)を選ぶか、普及されている通常品を選ぶかというレベルの問題であるといえます。
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