ビブラマイシン(ドキシサイクリン) の副作用や効果について!
「ビブラマイシン」は「テトラサイクリン系」の抗生物質ですが、人間に対して使用されることはもちろん、ペットに対しても使用されています。
効能や副作用は、ほとんど同じですが、動物特有の注意点もあるようです。
今回は、ビブラマイシン(ドキシサイクリン) の副作用や効果について詳しく説明していきましょう。
ビブラマイシンとは?
ビブラマイシン(成分:塩酸ドキシサイクリン)は「テトラサイクリン系」の抗生物質になります。
この抗生物質は、細菌の蛋白合成を阻止する事で、病原微生物の増殖を押させる働きがあります。
かつてはよく使用されていたお薬ですが、耐性菌や副作用などにより、最近ではあまり用いられなくなっていました。
しかし、このお薬にはやペニシリン系やセフェム系の抗生物質では効かない、「クラミジア」や「リケッチア」または「マイコプラズマ」にも有効という特徴があります。
また、細菌以外の「マラリア原虫」にも一定の効果があるため、再び見直されている傾向があります。
ビブラマイシンは同じテトラサイクリン系統のお薬の中では、比較的耐性菌が少ないと言われています。
効果・効能
・「皮膚感染症」
・「外傷・熱傷・手術創などの二次感染」
・「咽頭・喉頭炎」「扁桃炎」「急性気管支炎」「肺炎」
・「胆のう炎」「胆管炎」
・「膀胱炎」「腎盂腎炎」「前立腺炎」「尿道炎」「淋菌感染症」
・「感染性腸炎」「コレラ」
・「子宮内感染」「子宮付属器炎」「乳腺炎」
・「眼瞼膿瘍」「涙のう炎」「麦粒腫」「角膜炎」
・「中耳炎」「副鼻腔炎」「化膿性唾液腺炎」
・「歯冠周囲炎」
・「猩紅熱」
・「炭疽」「ブルセラ症」「ペスト」「Q熱」「オウム病」「ガス壊疽」「ワイル病」
製品例は
・ビブラマイシン錠50㎎
・ビブラマイシン錠100㎎
が発売されています。
用法・用量
大人は初日には、1日量200mgを1回または2回に分けて内服します。
2日目より1日量100mgを1回内服します。
感染症の種類や症状により増減されることがあります。
副作用
「吐き気」「食欲不振」「腹痛」「下痢」などがみられる場合があります。
症状がひどい時には、受診して医師に相談しましょう。
「光線過敏症」を起こすことがあります。
日光を浴びると皮膚が赤くなったり、水ぶくれなどができたりしますので、皮膚が弱い人や長期間服用する人などは、できるだけ直射日光を避けた方がよいでしょう。
「歯が作られる時期に内服すると、歯の色が変色する」などの副作用があるため、母親の妊娠中から8歳までの子供に処方されることはほとんどありません。
他にも「皮膚や粘膜の色が悪くなる(色素沈着)」「菌交代症による口内炎やカンジダ症」「ビタミンK欠乏症(出血傾向)」などが報告されています。
めったには起こりませんが、以下のような重篤な副作用の可能性もありますので、注意が必要です。
(アナフィラキシー・ショック)
ゼーゼー息苦しい状態、手足のしびれ、全身のほてり、じんましん、冷汗、全身発赤、顔やのどの腫れ、顔が白くなる、脈が弱い、血圧低下、意識がうすれるなど
(重い皮膚・粘膜障害)
発疹、発赤、かゆみ、皮がむける、水ぶくれ、膿、皮膚の熱感や痛み、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、倦怠感
(重篤な過敏症状)
だるい、吐き気、発疹、発熱、皮膚や白目が黄色くなる、リンパ節の腫れなど
(大腸炎)
激しい腹痛、頻回の下痢、発熱、血液便、下血など
(肝臓の重い症状)
発熱、吐き気、食欲不振、だるい、全身倦怠感、かゆみ、発疹、尿が茶褐色になる、皮膚や白目が黄色くなるなど
ビブラマイシンはニキビにも効くの?
ある皮膚科医によるとニキビにおいて発赤が顕著な場合には、抗菌薬内服と、外用薬が治療の主体となり、細菌感染が原因で炎症が起きている場合は、「テトラサイクリン系」では「ミノサイクリン塩酸塩」や「ビブラマイシン」が第一選択薬となるとのことです。
この2種類は抗菌作用や抗炎症作用もある為、皮膚科学会のガイドラインでも推奨されているのだそうです。
ただしデメリットとして、炎症を起こしていないニキビに効果がない事や、お肌に必要な菌も一緒に殺してしまったり飲み続けると耐性菌ができてしまうといった事もあります。
これらのことを考慮して、本当にニキビがひどい時にだけ1~2週間くらい飲む程度にしておいた方がよいと思われます。
具体的なことは皮膚科の医師に相談したほうがよいでしょう。
ビブラマイシンは猫や犬にも効くの?
動物病院で抗生物質が使用されることはよくありますが、その中でも「ビブラマイシン」などの「テトラサイクリン系」の抗生物質は、毒性が少ない抗生物質として位置づけられています。
「クラミジア」「マイコプラズマ」「リケッチア」などの他の薬が効きずらい菌に対して効果があり、広い範囲の細菌に効果がありますが、それが原因で耐性菌が出来てしまうと言った欠点を持ちます。
また体に合わない場合は、嘔吐したり体を痒がったり、下痢が止まらなくなったりすることがありますので、獣医師に相談しましょう。
これらは人間の場合とほぼ同じですね。
人間と違う視点からの配慮が必要なのは「犬がお腹をこわしたケース」や「皮膚炎」などの場合です。
犬はめったに下痢をしない生き物ですので、そんな犬が下痢をする場合は、かなりの腸のダメージが予想されます。
人間ではあまり処方されないので「不必要なのでは」と感じる飼い主さんもいらっしゃるようですが、犬にとっては必要です。
また、皮膚炎の場合は人間なら、軟膏やクリームを処方されることが多いですが、犬や猫の場合はなめてしまったり、塗ることがストレスになったりして、逆効果になる場合が多いため、飲み薬の抗生物質を処方します。
疑問に感じることがあった場合は、お薬を勝手に中止したりしないで、きちんと獣医さんに確認してみるべきでしょう。
まとめ
ビブラマイシンは、テトラサイクリン系の抗生物質で、人間だけではなく犬や猫に対しても処方されます。
犬や猫に使用する場合は、下痢や皮膚炎を起こさないか注意してあげましょう。
医師に指示に従うことや、勝手な判断でお薬を中止したりしないことは、人間でもペットでも同じように気をつけるべきだと言えますね。
医師と患者さんの間で「疑問に思うことをすぐに質問できる関係性」があれば、治療もスムーズにすすむのではないかと感じます。
医師に聞きにくければ、看護師さんをとおして聞いてみるのも一つの方法かもしれませんね。
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