ゲンタシン軟膏(ゲンタマイシン)の効果効能や副作用について!
軟膏は、いろいろな用途に手軽に使用できるので幅広く多くの方に使用されています。
しかし、気を付けなければならない点もいくつかありますし、お薬に対する考え方が時代ともに変化している部分もあります。
今回は、「ゲンタシン軟膏(ゲンタマイシン)の副作用や効果」について詳しくみてみましょう。
ゲンタシン軟膏とは
ゲンタシン軟膏とは、「ゲンタマイシン硫酸塩」と呼ばれる「アミノグリコシド系抗生物質」が主成分である軟膏です。
細菌の増殖を阻害して、局所の感染症をなおす働きがあります。
無臭であり、半透明で伸びが良く、古くから、いろいろな皮膚のトラブルに対して使用されています。
ステロイドは含まれていません。
また、市販薬としては販売されていません。
効果・効能
【①にきび】
ニキビの原因とされている「アクネ菌」や「マラセチア菌」が繁殖するのをおさえる働きがあります。
赤くなって腫れている赤ニキビには効果的ですが、黒ニキビやまた小さい白ニキビには効果が薄いです。
ニキビ治療は軟膏だけに頼らずに「きっちりと洗顔をする」「生活習慣をみなおす」などの基本的な対処法が大切になります。
【②やけど】
やけどでジクジクしている状態に効果があるようです。
やけどの患部はジクジクしすぎてもダメですが、乾燥しすぎると感染症を起こしやすくなることもあり、その結果、やけどの跡がひどくなることがあります。
皮膚が再生できる状態にしておくことが大切になりますので、手当の方法は重要ですね。
乾燥を防ぐために患部を覆うようにたっぷりとゲンタシン軟膏を塗って、その上からガーゼで覆い外の空気に当てない様に保護してください。
ただ、状態によって対処方法も違ってきますので、重症の場合には医師の指示を仰ぐことをお勧めします。
【③とびひ】
よく使用されてはいますが、最近は「とびひ」の化膿菌にゲンタシンに対する耐性が出来ていることが多いようです。
そのため、菌によってはほとんど効果がないこともあります。
またぐじゅぐじゅになってしまったような場合には効果がないとも言われています。
【④切り傷】
切り傷を治すためにもよく使用されていますが最近は、傷の治し方に関する考え方が変わってきています。
ひと昔前は「消毒をする」→「乾燥させる」→「かさぶたをつくる」という順番で治すのが主流でしたが、今主流になっているのは「モイストヒーリング(湿潤療法)」という処置法です。
傷を早く治し、跡が残りにくく、痛みをやわらげる効果がるといわれています。
ケガから時間が経ち、化膿してしまっている場合は抗生剤入りの塗り薬を使用したほうがよいとされていますので、このような場合には患部に薄く塗った後で、絆創膏などを貼っておくと治りが早くなります。
【⑤ヘルペス】
ヘルペスは「ヘルペスウイルス菌」に感染することで発症する皮膚感染症です。
ゲンタシン軟膏は抗ウイルス薬ではないので、ヘルペスを治癒することはできません。
化膿を食い止め、細菌による2次感染の予防するために併用して使用します。
ちなみにヘルペスに対する抗ウイルス薬としては「ゾビラックス軟膏」や「アラセナA軟膏」などがあります。
その他「虫刺され」「床ずれ」「おでき」「あせも」などにも効果があるとされています。
赤ちゃんや、女性のデリケートゾーンにも使用可能です。
何にでも効くと勘違いされる方が多いようですが、水虫には効果がありません。
水虫は細菌ではなく、カビ(真菌)が原因だからです。
また子供のオムツかぶれなどで処方されることがある「リンデロンVG」というお薬には「ゲンタマイシン硫酸炎」と「ステロイド」が入っています。
抗菌作用だけでなく消炎作用もあるため、治りが早いのが利点ですが、ステロイドを使用すべきでない場合や、ステロイドを使うことに抵抗がある場合などには「ゲンタシン」を使用するようになります。
ゲンタシンの製品例
・ゲンタシンクリーム0.1%1mg
・ゲンタシン軟膏0.1%1mg
後発品(ジェネリック)としては
・ゲンタマイシン硫酸塩軟膏0.1%「タイヨー」1mg
・エルタシン軟膏0.1%1mg
・ゲンタマイシン硫酸塩軟膏0.1%「イワキ」1mg
などがあります。
用法・用量や使用上の注意とは
【用法・用量】
1日1回~数回、患部に塗布します。
結構べたべたするので、あまり多く塗らずに薄く塗るようにしましょう。
塗った部分を他の場所につけないためや保護するために、ガーゼなどに薬を伸ばしたものを患部に貼り付けるのも良い方法です。
もし塗り忘れたら、気がついた時点で1回分を塗りましょう。
次に塗る時間が近い場合は、塗らないで次の分から指示されたとおりに塗ってください。
2回分を一度に塗ったりしないようにしましょう。
医師の指示なしに、自分の判断で、量を変えたり、塗るのを止めたりしないでください。
必ず指示されたとおりの方法で使用しましょう。
【保管方法】
子供の手の届かないところで、直射日光や湿気を避けて、室温(1~30℃くらい)で保管しましょう。
眼や口には使用できないお薬です。
小さな子供は、なんでも口に入れてしまいますので特に注意しましょう。
【使用期限】
薬が残った場合、保管しないで廃棄するようにしましょう。
刻印されている日にちは未開封での使用期限です。
一度開封して使用したものは軟膏の成分がどんどん酸化してしまい、長時間経って使用すると逆にアレルギー症状でひどくなってしまう場合もあります。
比較的劣化しにくいお薬だとは言われていますが、注意が必要です。
開封後の有効期限は、薬局で確認するのが一番ですが、一般的には「開封後は半年以内に使用」することとされています。
副作用について
主な副作用として「発疹」があります。
他にも「かゆみ」「赤み」「腫れ」「丘疹」「小水疱」などが報告されています。
症状に気づいたら、いったんお薬を中止して、医師に相談しましょう。
長い期間、広範囲に使用していると「耳鳴り」「めまい」、場合によっては「難聴」「腎障害」などを起こすこともありますので、念のため注意が必要です。
ちなみに使用する期間は、長くても2週間くらいまでとされています。
塗り薬なので、飲み薬に比べると安全性は高いですし、副作用がほとんどないお薬だと言えるでしょう。
しかし、100%とは言えませんし、体調によって副作用が現れやすい場合もありますので、気を付けておきたいですね。
まとめ
ゲンタシン軟膏は、ニキビ、やけど、とびひの治療など日常的に幅広く使用されています。
ステロイドも配合されておらず、比較的安全性の高いお薬ですが、
・開封後の使用期限(半年以内)
・長期間の使用はやめる(2週間くらいまで)
を忘れずに気を付けて使用しましょう。
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