男性の左下腹部の痛み!7つの原因となる病気をご紹介!
2016/04/03
下腹部の痛みは男女問わず突然襲われることが多く、下腹部が痛いと一言で言っても、チクチク痛む、鈍痛、ズキズキするなど痛みの種類は様々です。
また痛む場所も左下腹部痛、右下腹部痛、下腹部全体が痛い等部位も様々です。
今回はその中で、男性で左下腹部が痛い時に考えられる原因をご紹介します。
目次
腸炎
腸炎は小腸や大腸に炎症が起きている状態で、一言で腸炎と言っても原因は、ウイルス性腸炎、細菌性腸炎、薬剤性腸炎などの種類に分けられ、症状も急性と慢性に分けられます。
主な原因としては、暴飲暴食や消化が悪い食品の摂取、質が悪い飲料水の摂取、風邪、腹部を冷やした時に起こります。
・急性腸炎
急性腸炎は主に細菌感染で起こり、症状が強く下腹部の激しい痛みと供に40度以上の高熱、下痢、嘔吐、脱水症状、血便などが見られる場合があります。
原因となる有名なものには、ノロウイルスやO-157があります。
時には入院治療が必要な場合もありますが、完治までは早くて1週間ほどで回復します。
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・慢性腸炎
慢性腸炎は、急性腸炎に比べると症状は軽いものの、治療に時間がかかり治るまでに数カ月から数年に及ぶ場合があります。
慢性腸炎の主な原因は、
・急性腸炎の再発を繰り返す
・他の病気で腸が刺激される
・生活習慣の乱れ
・精神的なストレス
等です。
あまり何度も再発を繰り返すと、がん細胞を誘発してしまう危険性があります。
食中毒
食中毒の原因は、細菌、ウイルス、原虫、化学物質、自然有害物質によるものが主です。
そのほとんどが口からの摂取で、生肉や生魚、腐敗した物を食べたことが原因で、胃腸の機能が低下したことにより起こります。
食中毒の主な症状は、下腹部痛の他に、下痢、嘔吐、発熱、全身の倦怠感、血便などです。
基本的に安静にしていると数日から2週間ほどで自然に回復します。
しかし、病原性大腸菌やサルモネラ菌など一部の菌は、増殖すると同時に毒性を作るので注意が必要です。
典型的な食中毒の症状に加え、呼吸障害やめまい、血便などの症状が見られた場合はすぐに医療機関を受診することをお勧めします。
下痢が続いたり嘔吐で脱水症状が起こる危険性がある場合、点滴で水分や電解質を補給します。
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潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎は、大腸の表面の粘膜が炎症を起こし、粘膜がただれて潰瘍やびらんができた状態です。
20代から50代まで幅広い層で発症しますが、30代の若年層に最も多く発症します。
潰瘍性大腸炎の原因は、はっきり分からないのですが、なんらかの自己免疫異常によるものだと言われてます。
他にも、食事の欧米化やストレスや過労も原因の一つではないかと言われています。
症状は、腹痛や下痢、血便等です。
さらに症状が重くなると、発熱、吐き気、嘔吐、貧血、体重減少等が見られます。
一度は治癒しても、数ヵ月後から数年後に再発しそれを繰り返す人もいます。
再発を繰り返したり、長期間潰瘍性大腸炎が続くと、大腸がんの発症リスクが高まるので要注意です。
過敏性腸症候群
過敏性腸症候群は、明らかな腸の異常はないが、下腹部痛や腹部の張り、下痢や便秘などの症状が見られます。
「私、腸が弱いんです」と訴える大部分の人は「過敏性腸症候群」に当てはまると考えられます。
20代から40代の若年層に多く発症するのが特徴です。
便通の症状によって「便秘型」「下痢型」「混合型」「交代型」の4タイプに分けられます。
男性は「下痢型」と「混合型」が多く、女性は「便秘型」が多い傾向が見られます。
過敏性腸症候群の原因ははっきり解明されていませんが、消化管運動異常、消化管知覚過敏、心理的異常が主な原因と考えられています。
特に、精神的なストレスは過敏性腸症候群を発症、悪化させる大きな原因となっているようです。
便意に伴い、腹部の鈍痛や突然の痛みを伴い、排便後に一時的に症状が軽減するのが特徴です。
S状結腸憩室炎・大腸憩室症
大腸の壁の一部が外に飛び出している場所を憩室と言います。
大腸憩室症は、大腸内の憩室に便が詰まる等により大腸内の圧が高まることや、加齢に伴い腸管壁が弱くなることが原因で炎症が起きた状態です。
好発部位は上行結腸とS状結腸で、上行結腸は右腹部、S状結腸は左腹部が痛みます。
典型的な症状は、突然下腹部が痛くなり下痢がはじまります。時間が経過すると、発熱、ふるえ、赤黒い便が出るようになります。
症状がさらに悪化すると、憩室内の動脈が破れて大出血を起こしたり、憩室に穴が開き腹膜炎や結腸周囲炎をおこす場合があります。
また穴が開くと血圧が下がり重症化する場合もあります。
大腸憩室症の治療として、腹痛や血便の際はまず薬物療法で経過を見ることが多いです。
S状結腸憩室炎の発症率は年々増加傾向にあります。
これは食生活の欧米化が進み、野菜や食物に含まれる食物繊維の摂取が減少し、肉食化が進んだことが要因と考えられています。
S字結腸破裂・捻転症
S字結腸は直腸の上部分で、お腹の左下~下腹部辺りにあります。
主に男性の高齢者に多いのですが、そのS字結腸が破裂、もしくは捻じれてしまう事があります。
主な症状には、便秘、腹部の張り、嘔吐があります。
S字結腸破裂
S字結腸は、便が停滞しやすい場所です。
高齢者は大腸の動きが弱いため便秘を起こしやすく、さらに腸壁も薄くなるので便が溜まることで腸が避けてしまう事があります。
重症の際は、緊急手術となります。
S字結腸捻転症
S字結腸が捻じれてしまう病気がS字結腸軸捻転症です。
破裂時同様、早急に手術が必要な例が多いです。
便秘で便がたまると、その重さで腸が捻じれてしまうことがあります。
S字結腸は骨盤に守られるような場所にあります。特に男性は骨盤が狭く、ねじれた腸が自然に戻るスペースが少ないので、女性より起こりやすいと考えられています。
大腸がん
大腸がんは、日本人に急速に増えているがんのひとつです。
年代的には50歳代から増え始め、60歳~70歳代の方が発症しやすくなっています。
直腸がんはほとんど初期症状がありません。
がんが進行し症状が出てくると、まず肛門からの出血(下血)が起こります。
また、直腸の炎症も一緒に起きるため、腹痛に伴い、便秘や下痢も繰り返します。
他にも、
・便の太さが細くなる
・便から腐敗したような悪臭がする
・貧血が強くなり、めまいを起こす
ようにもなります。
さらに進行すると、死亡率が非常に高い多臓器不全を起こす可能性もあります。
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まとめ
左下腹部の痛みの原因はさまざまですが、中には重大な病もあります。
精神的ストレスや食生活が原因となる事も多いので、普段の生活から生活習慣を整え、ストレスをためないように心がけましょう。
耐え難い激痛や、血便が出るときは危険な病気かもしれません。
左下腹部が痛いときは、内科を受診しましょう。
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