タリビッド(オフロキサシン)の副作用や効果について!
タリビッドは眼科の点眼薬として頻繁に処方されており、眼科ではとてもなじみ深いお薬です。
今回はタリビッド(オフロキサシン)副作用や効果について、説明しましょう。
タリビッドとは
タリビッドは「ニューキノロン系抗菌製剤」で、細菌などのDNAを阻害することにより、抗菌作用を示すお薬になります。
主成分は「オフロキサシン」であり、感染症の治療に対して幅広く使用されています。
これまでの抗菌薬に比べ抗菌力が強く、いろいろな細菌に有効であると同時に、病巣への移行がよいという特徴があります。
これまで、飲み薬では治療の難しかった難治性の感染症にもよい効果を示します。
副作用も少ないほうであり、アレルギーも起こしにくいため、ペニシリン系やセフェム系などの抗生物質にアレルギーのある人にも使用されたりします。
効果・効能
皮膚科、呼吸器科、泌尿器科、婦人科、眼科、耳鼻科、歯科などにおける感染症に使用されます。
具体的な病名は以下の通りです。
・リンパ管、リンパ節炎・皮膚感染症・慢性膿皮症
・乳腺炎・肛門周囲膿瘍・外傷、熱傷、手術創などの二次感染
・膀胱炎・尿道炎・前立腺炎・精巣上体炎・腎盂腎炎
・バルトリン腺炎・子宮内感染・子宮付属器炎・子宮頸管炎
・胆のう炎・胆管炎
・肺炎・扁桃炎・咽頭・喉頭炎・急性気管支炎・慢性呼吸器病変の二次感染
・涙のう炎・麦粒腫・瞼板腺炎・角膜炎
・中耳炎・副鼻腔炎
・顎炎・歯周組織炎・歯冠周囲炎・顎炎
・感染性腸炎・パラチフス・腸チフス
・ハンセン病
製品例は?
・タリビット錠100㎎
・オフロキサシン錠100㎎
・タツミキシン錠100㎎
・タリフロン錠100㎎
・フロキン錠100㎎
などが発売されています。
用法・用量
大人は1日3~6錠(300~600㎎)を2~3回に分けて内服します。
症状により、適宜増減されます。
以下の病気の場合は、内服量が異なります。
【ハンセン病】 大人は1日4~6錠(400~600㎎)を2~3回に分けて内服します。
【腸チフス・パラチフス】 大人は1回2錠(200㎎)を1日4回、14日間服用します。
副作用
基本的に副作用は起きにくいのですが、この系統のお薬に特徴的な「光線過敏症」が起こることがあります。
日光に当たった皮膚に発赤を生じたり、ひどい時には水ぶくれができたりしますので、皮膚の弱い人や長期間内服している人は、直射日光を避けた方が良いかもしれません。
タリビッドの特異な副作用として「けいれん」と「アキレス腱障害」「横紋筋融解症」「低血糖」などの報告があります。
薬の排泄が遅れがちな高齢者や腎臓の悪い人などは、注意して服用するべきですね。
「てんかん」などのけいれん性の病気や「重症筋無力症」などの疾患がある場合には、悪化する可能性がありますので、慎重に投与します。
まれなケースではありますが、精神変調や意識障害を起こすことがあります。
車の運転などを含めた、「危険をともなう機械の操作」「高いところでの作業」を行う場合には念のため注意が必要です。
以下にタリビッドで起こる可能性のある重い副作用と、その初期症状を記載しましたので、参考にして下さい。
①ショック・アナフィラキシー
紅斑、悪寒、呼吸困難、気持ちが悪い、冷汗、顔面蒼白、手足の冷えやしびれ、じんましん、顔やのどの腫れ、ゼーゼー息苦しい状態、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる
など、早急に対応すべき副作用です。
②中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群
「発熱」「紅斑」「水疱」「びらん」等の症状が起こります。放置せずにすぐに受診しましょう。
③けいれん
めまい、頭痛、ふるえ、手足のしびれ感、筋肉のぴくつき、意識低下、全身けいれんなど
④重い不整脈
胸の痛みや不快感、動悸、息切れなど
⑤腎臓の重い症状
発熱、全身倦怠感、尿量の減少、手足や顔のむくみなど
⑥肝臓の重い症状
嘔気・嘔吐、食欲不振、倦怠感、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなるなど
⑦重い血液の異常
発熱、のどの痛み、出血傾向(歯ぐきの出血、鼻血、皮下出血など)、全身倦怠感、動悸など
⑧間質性肺炎
発熱、から咳、呼吸困難
⑨重篤な大腸炎
腹痛、頻回の下痢
⑩横紋筋融解症
横紋筋細胞が融解し筋細胞内の成分が血中に流出する病気で「筋肉痛」「脱力感」「手足のしびれやけいれん」「赤褐色の尿」などが主な症状です。
⑪低血糖
「冷汗」「動悸」「脱力感」「などが主な症状で、重くなると「異常な言動」「けいれん」「意識がなくなる」などの症状も起こります。
⑫アキレス腱炎、腱断裂など
「アキレス腱周辺の痛み」「浮腫」などが主な症状で、ステロイドを内服している方や60歳以上の方は発症しやすいという報告があります。
⑬幻覚・錯乱・抑うつなどの精神症状
考えがまとまらない、時間や場所などが理解できない、話の筋や行動がまとまらない、気分が憂うつでやる気がしないなど
⑭過敏性血管炎
発熱、腹痛、関節痛、青あざ、斑状丘疹
⑮重症筋無力症の悪化
上まぶたが下がる、物が重なって見える、運動時の筋肉の疲労感
飲み合わせ・食べ合わせ
「フルルビプロフェン(フロベン)」など一部の鎮痛薬との併用で、けいれんを起こしやすくなると言われています。
他にも「胃腸薬(アルミニウムやマグネシウム分を含む制酸剤)」や「鉄剤」と同時に飲むと、効果が弱くなることがあり、少なくとも2時間くらいの間隔をあけて内服する必要があります。
また「ワルファリン」など血液を固まりにくくする作用を持つお薬の効果を高めるため、併用には注意が必要です。
まとめ
タリビッドは副作用が起こることはめったにありません。
しかし、どのお薬に関しても言えることではありますが、100%ないと言い切れるものでもありません。
気になる症状が起こった場合には、早めに受診しましょう。
自分が飲んでいるお薬や持病について、あらかじめ医師に伝えておくことや、処方された際には指示通りにきちんと飲むことが大切になります。
もし、異常がみられたら、お薬を中止して、早急に受診しましょう。
自己判断で、乱用するべきではないことを十分理解して使用していただきたいと思います。
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